英紙・ESPNが日本代表を高評価——ガーディアン格付けで世界8位、オランダを上回る
イングランドを1−0で下した森保ジャパンに対し、海外メディアによる評価が相次いで高まっている。英高級紙「ガーディアン」はW杯出場全チームの格付けランキングを発表し、日本をFIFAランク18位から大きく上回る世界8位に位置づけた。米スポーツ専門局「ESPN」も、チーム戦術の進化を詳しく分析する特集記事を掲載。「ダークホース」から「有力候補」へと変わりつつあるという見方が、世界的に広まりつつある。
ガーディアン格付けランキング:日本8位、オランダ13位
英紙「ガーディアン」が発表したW杯出場全チームのパワーランキングは以下のとおりとなっている。
- 1位 フランス
- 2位 スペイン
- 3位 アルゼンチン
- 4位 ブラジル
- 5位 ポルトガル
- 6位 セネガル
- 7位 ベルギー
- 8位 日本
- 9位 ドイツ
- 10位 モロッコ
- 11位 クロアチア
- 12位 イングランド
- 13位 オランダ
FIFAランク18位の日本が8位、同7位のオランダが13位という評価は、W杯本番での対戦カードを前に注目を集めている。
ガーディアンによる日本評価のポイント
同紙はイングランド遠征でスコットランド・イングランドに連続1−0勝利を収めた事実を紹介した上で、次のような論点を示した。
- 欠場者の比較:イングランドは主力6人が不在だったと話題になったが、日本側も遠藤航・南野拓実・久保建英・冨安健洋らを欠いていた、と同紙は指摘している
- チームの完成度:「よく統率されたチームであり、ダークホースから有力候補へと変わりつつある」と評価されている
- 対戦相手への警戒:「ここ数日の結果はこれ以上ないほど良好だったが、W杯の対戦相手に警戒される可能性もある」との見方も示された
オランダの評価が低い理由(ガーディアン)
同紙がオランダをグループF内で日本より下位の13位にした主な理由として、以下が挙げられている。
- エースFWメンフィス・デパイが直近2試合を負傷欠場。W杯本番まで回復できるか不透明とされている
- MFフレンキー・デ・ヨングの状態にも不安があるとされている
- ノルウェー戦(2−1)で多くのチャンスを決めきれず、エクアドル戦(1−1)ではデンゼル・ダンフリースが12分で退場となり低調な内容だったと報じられている
ESPNの詳細分析:「戦術がより攻撃的に進化」
米スポーツ専門局「ESPN」は「イングランド戦での歴史的勝利の後、日本はW杯でどこまで進めるのか?」と題した特集を掲載した。
戦術面での評価
- 森保監督が採用する「3-4-2-1」のシステムが、以前と比べてより攻撃的な形へと進化していると分析されている
- ウイングバック(※サイドを走る選手)に三笘薫・堂安律といった本来攻撃的な選手を起用することで、守備と攻撃の両立が図られているという指摘がある
- 久保建英と堂安が右サイドで、三笘と南野が左サイドで連携する配置が機能していたとされている(南野は12月の前十字靭帯断裂により本大会出場は難しい見込み)
- 直近4試合で失点なしという守備の安定も合わせて称えられている
ESPNが示す日本の課題
同局は「優勝よりまずベスト8進出が必要」との前提のもと、過去のW杯における日本のデータと照らし合わせながら以下の論点を示した。
- カタール大会ではドイツ・スペインに勝利しながら、コスタリカ戦で守備的な戦い方を選んで0−1敗戦。当時は批判を受けたが、現在では「森保監督が過度に保守的だと批判されることはほとんどなくなっている」と評価されているという
- W杯でどこまで進めるかはチームのメンタル面が左右する、と同局は結論づけている
- 「強豪オランダ戦でこれまでの戦い方を貫くか、プレッシャーで慎重なスタイルに逆戻りするか」が焦点として挙げられている
背景と論点
なぜ今、海外の評価が急上昇しているのか
- 直近の欧州遠征でスコットランド(3/28)・イングランド(4/1)にいずれも1−0で勝利したことが大きなインパクトを与えたと報じられている
- 昨年10月にはブラジル戦で初勝利を挙げており、ESPNは「実際に世界屈指のチームに近づいているようにも見える」という見解を示している
- FIFAランクと海外メディアの格付けの間に大きなギャップがある点は、日本の実力が数字に反映されにくいことを示唆しているという指摘もある
グループFの構図と日本初戦
- 日本が属するグループFの対戦相手はオランダ・スウェーデン・チュニジア
- W杯初戦のオランダ戦は**6月14日(日本時間15日)**にキックオフとなる
- スウェーデンはプレーオフでポーランドに3−2で勝利して出場権を獲得。FWアレクサンデル・イサクとデヤン・クルゼフスキは怪我からの回復が見込まれると報じられている
「ベスト16の壁」をめぐる論点
ESPNの特集では、カタール大会後に長友佑都が言及した「ベスト16の壁」を取り上げ、それを越えることが今大会の最大のテーマであるとも指摘されている。
- 過去にW杯ベスト8に進出したことは一度もないという事実
- 「相手に関係なくベスト8・ベスト4にふさわしいチームとしてプレーするしかない」とする論点が示されている
関係者コメント
- 森保一監督(イングランド戦後):「勝ててうれしいが、まだ道のりは長い。もっと強くならなければならない」と報じられている
- 菅原由勢(ESPN取材より):「自分たちの未来はワールドカップ優勝です。それが一番大事なことです」と語ったと紹介されている
まとめ:海外メディアが見る「森保ジャパン」の現在地
| 評価媒体 | 評価内容 |
|---|---|
| ガーディアン(英) | W杯全体8位。FIFAランク上位のオランダ(13位)を上回る格付け |
| ESPN(米) | 戦術の攻撃的進化を詳しく分析。「ダークホースから有力候補へ」と評価 |
欧州遠征での2連勝を受け、「組織的で統率されたチーム」という評価は国際的に定着しつつあるとされている。一方で、「実際のW杯の舞台でも同じ戦い方を貫けるか」というメンタル面の問いかけは、大会開幕に向けて引き続き焦点となりそうだ。
筆者のコメント

FIFAランク18位のチームが、格付けで7位のオランダを上回る8位——この数字だけでも、今の森保ジャパンへの海外の見方がガラッと変わったことが伝わってきます。
ガーディアンもESPNも、単に「勝ったから評価した」ではなく、戦術の中身まで踏み込んで分析しているのが印象的です。主力を何人も欠いた状態でイングランドを下し、なおかつ「組織として完成されている」と言わしめるチームに仕上がっているというのは、率直にすごいことだと思います。
ただ、ESPNが指摘する「メンタルの壁」は無視できない論点です。強豪相手に勝てる力はある、でも本番の大舞台でそれを発揮できるか——カタール大会のコスタリカ戦がまだ記憶に残っている方も多いはず。初戦のオランダ戦は、まさにそこが試される一戦になりそうです。


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