「わさビーフ」が買えなくなるかも ホルムズ海峡封鎖が工場を直撃、操業停止に
「わさビーフ」で知られる山芳製菓(ヤマヨシ)が、工場の操業を一時停止した。きっかけは、遠く離れた中東の海峡封鎖だ。「海外の紛争がなぜ日本のスナック菓子に影響するの?」と思う人も多いだろう。その「つながり」を順番に整理する。
Step1:ホルムズ海峡が封鎖された
ホルムズ海峡は、中東のペルシャ湾とオマーン湾をつなぐ幅約50kmの細長い海峡だ。サウジアラビア、イラク、クウェート、イランなど世界有数の産油国が集まるペルシャ湾の「出口」にあたる。日本が輸入する原油のおよそ9割がこの海峡を経由しており、ここが塞がれると日本のエネルギー供給は根本から揺らぐ。
2026年2月末、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃をきっかけに、イラン革命防衛隊が通過船舶への攻撃を警告した。これを受けて日本郵船や川崎汽船など大手海運会社が相次いで海峡の通行を停止。3月初旬から、海峡は事実上の封鎖状態に入ったと報じられている。
Step2:重油が届かなくなった
海峡が封鎖されると、中東から日本へ向かうタンカーが動けなくなる。その結果、石油製品全般の日本への供給が滞りはじめた。
山芳製菓の工場では、製造工程に欠かせない燃料として重油を使用している。重油とは原油を精製する過程で取り出される燃料のひとつで、大型ボイラーや加熱設備の動力源として食品工場でも広く使われている。電気やガスと比べて大量のエネルギーを安定して供給できるコスト効率の高さから、製造業の現場では長年にわたって主要燃料として採用されてきた。
しかし今回の海峡封鎖により、この重油の調達が「極めて困難な状況」に陥ったと、同社は2026年3月12日付の公式発表で説明している。
Step3:重油がなければ、工場は動かせない
重油は工場における「熱源」の役割を担っている。ポテトチップスの製造では、チップスを揚げるための大量の油を高温に保ち続ける必要があり、この加熱にボイラーの熱が使われる。重油が止まるとボイラーが動かず、ラインそのものが成立しなくなる。
「電気やガスに切り替えれば?」と思うかもしれないが、それは簡単ではない。燃料の種類が変わると、設備そのものの改修や交換が必要になるケースがほとんどだ。数日やそこらで対応できる話ではなく、調達先の確保と同様に時間と費用がかかる。だからこそ、重油の供給が絶たれることは工場の稼働停止に直結する。
結果として山芳製菓は、工場の操業を一時的に停止せざるを得ない状況に追い込まれた。
Step4:製品が届かなくなる可能性がある
工場が止まれば、製品の製造もストップする。現時点で確認されている影響は以下の通りだ。
- 一部製品の供給遅延または出荷停止の可能性
- 「ヤマヨシ直売所」および公式オンラインショップが2026年3月16日(月)より一時休業
- 同日より新規注文の受付も停止
直売所・オンラインショップの休業はすでに始まっており、「わさビーフ」などの製品をオンラインで購入することは現時点では不可能だ。スーパーやコンビニへの出荷については、現在の在庫が尽きた時点で棚から商品が消える可能性が出てくる。
再開の見通しは「現時点で未定」
同社は「燃料の確保や生産体制の調整を進めており、一日も早い操業再開に向けて全力で対応している」とコメントしている。一方で「営業再開につきましては、現時点で目途が立っていない」とも明言しており、具体的な再開時期は不明のままだ。
ホルムズ海峡の封鎖という国際的な問題が解決しない限り、燃料確保のめどが立ちにくい状況が続くとみられる。今後の情報は山芳製菓の公式サイトで随時更新されるとしており、引き続き同社の発表を確認することが求められる。
中東の軍事情勢が、日本国内の食品メーカーの生産ラインを直撃するという今回の事態は、エネルギーの海外依存リスクが改めて問われるきっかけとなっている。
情報ソース
検索キーワード:「山芳製菓 操業停止 ホルムズ海峡」「山芳製菓 製品供給 重要なお知らせ 2026」
筆者のコメント

どうも、ワサビ大好き筆者です。
「わさビーフ」が食べられなくなるなんて、そんなことが許されていいのか?
子どもの頃からあの独特のわさび風味に親しんできた方も多いと思いますが、まさかホルムズ海峡の封鎖がきっかけで棚から消えるとは、誰も想像していなかったのではないでしょうか。
今回の件で改めて感じたのは、「遠い話」が実はとても近いところにつながっているということです。中東の軍事情勢→海峡封鎖→タンカーが動けない→重油が届かない→工場が止まる→お菓子が買えない。このドミノ倒しのような連鎖が、現実として起きてしまいました。
そして「わさビーフ」はあくまで一例にすぎません。重油を使っている工場は食品業界だけでも無数にありますし、プラスチック製品、日用品、衣類……あらゆる「製造業」がこのエネルギー不足の影響を受ける可能性があります。スーパーの棚がじわじわと変わっていく未来も、あながち大げさな話ではないかもしれません。
早期の情勢安定と、山芳製菓さんの一日も早い操業再開を願うばかりです。わさビーフフォーエバー。


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