PR

日米がレアアース問題で本格連携。中国依存からの脱却はなるか【2026年3月】

国内

日米、重要鉱物・レアアースで連携強化 中国依存からの脱却を加速


ニュースの概要(事実)

日米など18カ国の閣僚らが参加し、インド太平洋地域のエネルギー安全保障を議論する国際会議が3月15日、東京都内で閉幕した。

2日間にわたる会議では、域内でのエネルギーの安定供給に向け、インフラ投資などの協力を盛り込んだ共同声明を取りまとめた。

あわせて開かれた日米の担当閣僚会合(赤沢亮正経済産業相とアメリカのバーガム内務長官ら)では、以下の合意がなされたと報じられている。

  • 重要鉱物の供給途絶(※輸出制限などで手に入らなくなること)に対し、迅速に対応するための枠組みづくりで合意した。
  • 原子力や液化天然ガス(LNG)、重要鉱物の開発やファイナンス(資金供給)の分野で「協力を深化することで一致した」と説明された。

また、19日にワシントンで行われる高市総理大臣とトランプ大統領の会談では、レアアース(※ハイテク製品の製造に不可欠な希少な鉱物)について各国で「最低価格制度」を設けるため、日米で協力していくことで合意する見通しだという。


要点まとめ

  • 東京で18カ国国際会議が閉幕(3月13〜15日)、インド太平洋地域のエネルギー安全保障に関する共同声明を採択
  • 日米間で「迅速対応グループ」の設置に合意:重要鉱物の供給が途絶した際、情報共有・鉱物の融通(お互いに融通し合うこと)を行う実務的な枠組み
  • レアアース「最低価格制度」の協議:19日の日米首脳会談(ワシントン)で正式合意の見通し。EUなど多国間への拡大も検討
  • 南鳥島沖のレアアース共同開発:先月、日本の研究チームが採取に成功した海底資源について、日米間で協議が進む方向
  • 赤沢経産相は「首脳会談につながる足場固めができた」と述べた。

解説・背景

なぜ今、重要鉱物が問題になっているのか

重要鉱物(リチウム、コバルト、レアアースなど)は、電気自動車・スマートフォン・半導体・軍事装備品など現代社会に欠かせない製品の製造に広く使われている。現在、世界の生産・精製の多くを中国が握っているとされ、経済安全保障上のリスクとして各国が問題視している。

中国はこれまでにも輸出制限をカードとして使ってきた経緯があり、日本も2010年代に影響を受けた経験がある。

「最低価格制度」とは何か

レアアースの市場では、中国が安価な製品を大量に供給することで、他国での採掘・生産が採算(コストに見合う利益)を取れなくなり撤退を余儀なくされるという構造的な問題があると指摘されている。「最低価格制度」は、日米やEUなどが連携して価格の下限を設けることで、自国・同盟国内での生産を維持しようとする仕組みだ。

南鳥島沖の海底レアアースとは

南鳥島近海では先月、日本政府主導の研究チームがレアアースを含む泥の採取に成功した。この海域は日本の排他的経済水域(EEZ)内にあり、国産資源確保の観点から注目を集めている。日米が共同開発を進めることで、技術・費用面での課題を克服しようという狙いがあるとみられている。


論点・争点

① 中国との関係をどう管理するか

  • 「最低価格制度」や「迅速対応グループ」は、中国を名指しこそしていないが、事実上の対中牽制(けんせい)策と受け取られる可能性がある
  • 経済的に中国と深く結びついている国もあり、多国間連携の足並みがそろうかどうかは不透明との指摘がある

② コスト負担の問題

  • 安価な中国製に対抗するために最低価格を維持するということは、消費者や産業界にとってはコスト増につながる可能性がある
  • 補助金や財政支援の規模・分担をどうするかが今後の焦点になるとみられている

③ 多国間連携の実効性

  • 制度の設計・運用にはEUなど多くの国が足並みをそろえる必要があり、各国の利害調整が課題と報じられている
  • 「迅速対応グループ」も合意はなされたが、実際に機能するかは今後の運用次第という見方がある

④ 南鳥島開発の実現可能性

  • 水深6,000メートル級の海底資源の商業採取は世界的にも前例がなく、技術・コスト両面での課題が大きいとの指摘がある
  • 日米の共同開発が、研究段階から実用段階にどう進展するかが注目される

今後の焦点: 3月19日(木)にワシントンで予定されている高市総理大臣とトランプ大統領の日米首脳会談で、これらの枠組みがどのような形で正式合意されるかが注目されている。

← トップページに戻る
国内
スポンサーリンク

コメント