ボールが直撃したカモメをCPRで救命──トルコのサッカー選手に世界が注目
アマチュアリーグの昇格プレーオフ決勝戦。突然のアクシデントが、ひとりの選手の咄嗟の行動で感動の結末へ。
▍ この記事のポイント
- 2026年2月22日、イスタンブールのサッカー試合でGKのクリアボールがカモメに直撃
- チームキャプテンのガニ・チャタン選手が約2分間のCPR(心肺蘇生)を実施、カモメが蘇生
- カモメはその後、野生動物治療施設に搬送され回復中(歩行可能、飛行はまだ不可)
- チャタン選手はPETA(動物愛護団体)より「動物のヒーロー賞」を受賞
- チームはトルコ青年スポーツ大臣に招待、新ロゴにカモメを採用
1何が起きたのか──事件の概要
2026年2月22日、トルコ・イスタンブールのゼイティンブルヌ地区で、 イスタンブール1stアマチュアリーグ昇格プレーオフ決勝が開催された。 対戦カードはメヴラナカプ・ギュゼルヒサルとイスタンブール・ユルドゥム・スポル。
試合開始から22分、ユルドゥム・スポルのGK(ゴールキーパー) ムハメット・ウヤニク選手がペナルティエリアからボールを大きく蹴り出した。 しかしそのボールは、ちょうどピッチの上空を低く飛んでいたカモメに直撃。 カモメはそのままグラウンドに落下し、動かなくなった。
| 発生時刻(試合) | 22分 キックオフからの経過時間 |
| CPR継続時間 | 約2分 チャタン選手による胸部圧迫 |
| 試合結果 | 昇格 ならず ユルドゥム・スポルは敗退 |
▶ 映像で見る──一部始終の記録
動画引用:FNNプライムオンライン
2キャプテンの救命処置
ピッチに駆け寄ったのは、ユルドゥム・スポルの主将 ガニ・チャタン選手だった。 カモメが呼吸していないことに気づいた彼は、ためらうことなく 指先を使った胸部圧迫(CPR=心肺蘇生法)を開始。
チャタン選手は正式な応急処置の訓練を受けたことはなく、本人も後に 「動物を助けようとする反射的な試みだった」と語っている。 約2分間にわたって処置を続けた結果、カモメは奇跡的に息を吹き返し、 足・目・口を動かし始めた。 チャタン選手はカモメをサイドラインまで運び、スタジアムの医療スタッフへ引き継いだ。
「私たちは優勝を逃しましたが、命を救えたのは良いことです。優勝よりもこっちの方が重要ですから」— ガニ・チャタン選手(試合後コメント)
なお、蹴ったボールがカモメに当たったGKのウヤニク選手は 「最初は何に当たったか分からなかった」と証言。 それがカモメだと気づいた際には大きなショックを受け、 「場所がわかればお見舞いに行きたい」とも語っている。
3カモメのその後と現在の状態
蘇生したカモメはその後、野生動物治療施設へ搬送された。 ボールとの衝突で羽(翼)を損傷しており、 治療の結果、自力で歩けるまでに回復した。 ただし、飛べるようになるまでにはさらなる時間が必要とされている。
✔ 意識回復 ✔ 歩行可能 ⏳ 飛行は回復待ち ✔ 施設で治療・保護中
4世界の反応と評価
この出来事はSNSを通じて世界中に拡散し、各方面から称賛の声が上がった。
PETA「動物のヒーロー賞」動物愛護団体PETAが、チャタン選手の献身を称えて授与。
トルコ青年スポーツ大臣が招待大臣自らチームを公式招待し、賛辞を送った。
チームの新ロゴにカモメを採用今回の出来事を記念し、ユルドゥム・スポルが決定。
英ガーディアン紙も報道賭博スキャンダルに揺れるトルコサッカー界で、スポーツマンシップが戻った瞬間として取り上げた。
一方でSNSでは「鳥にCPRが有効だったのか」「逆に傷つける可能性はなかったか」 という専門的な疑問の声も一部で上がった。 ただし「まず助けようと咄嗟に動いた行動自体が素晴らしい」という意見が大勢を占めている。
5背景・解説
トルコは古くから動物と人が共生する文化で知られ、路上の野良猫・野良犬を地域全体で 世話する習慣がある。今回の出来事も「動物フレンドリーな国民性」を象徴するエピソードとして 受け止められている。
また、CPR(心肺蘇生法)とは、心臓や呼吸が止まった際に 胸を一定リズムで押すことで血液循環を維持する応急処置のこと。 人間向けに広く普及しているが、犬や猫などの動物にも応用される場合がある。 鳥類への適用は一般的ではなく、骨格の違いから危険を伴うケースもあるとされるため、 専門的見地からの検証が待たれる。
今回のプレーオフはアマチュアリーグとはいえ、昇格がかかった決勝の大舞台。 チャタン選手はそうした状況の中でも、勝敗よりも目の前の命を優先した。 試合はそのまま再開され、ユルドゥム・スポルは惜しくも敗退し昇格を逃している。
▍ 参照・関連情報 YouTube 動画「Player performs CPR on seagull during playoff game」
筆者のコメント

いやー、カモメ助かってよかったです!本当に。ぐったり倒れた瞬間は「やってもうたか!?」ってなりましたが、チャタン選手の2分間の奮闘で無事に息を吹き返してくれました。昇格は逃しちゃいましたが、「命を救えたほうが大事」と言い切れるキャプテン、かっこよすぎます。
しかしサッカーって、なぜかこういう動物系の珍事が多いですよね。試合中に犬が乱入してボールと戯れたり、猫がコートをのしのし横切ったり。世界中でどれだけの試合が動物に中断させられているのか、今度データをまとめてみようか迷い中です。
今回はカモメという、なぜそこに?ってなる相手でしたが、それでも全力でCPRを試みたチャタン選手と、心配そうに見守る両チームの選手たち。ピッチが一瞬、救命センターになってました。
カモメはいまも治療施設でリハビリ中とのこと。翼の回復にはまだ時間がかかるそうですが、どうかまたイスタンブールの空を自由に飛び回れる日が来ますように。あと次は試合中のピッチには近づかないでくれると、みんな安心です。


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